この記事で分かること
- 40代・50代ピラティスインストラクターの実際の年収と収入推移
- 年齢を重ねてからスタートする際の将来性とキャリアパス
- 資格取得から収入獲得までの具体的なロードマップ
- 成功するためのポイントと注意すべき点
40代・50代からピラティスインストラクターになる現実とは
何歳まで活躍できる?年齢制限の実態
History of Pilates with Lolita San Miguel
向いてる人の特徴と必要なスキル
向いている人の特徴
- 健康への関心が高い方
自分自身の体調管理や健康維持に積極的な方は、その経験をお客様へのアドバイスに活用できます。これまで更年期症状や慢性的な痛みに対する理解も深く、実体験に基づいた指導が可能です。逆に、不健康な生活で体調を崩した後、ピラティスを通じて健康な体を取り戻されて、ピラティスの良さに目覚めた方は、ご自身の経験に基づく説得力のあるアドバイスができるので、お客様から信頼を得やすくなります。
- 新しいことに関心のある好奇心の強い方
新しい知識や技術を学ぶことに抵抗がなく、一人ひとりのお客様の体調や体格に合わせた指導をするために学び続ける向学心の高さがあると、より一層、お客様にとって役立つアドバイスができるので、継続してお客様が通ってくれやすくなります。 - コミュニケーション能力の高い方
これまでの職業経験や人生経験を通じて培ったコミュニケーション力があると、お客様との信頼関係構築に直結します。特に管理職経験がある方や接客業経験者は、その能力を活かしやすい傾向があります。
仮に、そういった経験がなかったとしても、接客が好きで相手のことを気遣える方ならお客様から好かれるのでインストラクターに向いていると言えます。
未経験・初心者からでもインストラクターになれる理由
中には中上級者向けのピラティス講座はあります。
しかし実は、多くの資格講座では未経験者を対象としたカリキュラムが組まれています。
「やめとけ」と言われる理由と対策
よく言われる懸念点と現実
- 収入面での不安
「若い人の方が雇われやすい」「体力的に続かない」といった懸念がありますが、実際にはお客様の年齢層も40代以上が中心となっており、同世代への需要は高まっています。 - 競争の激化
ピラティス業界への参入者は確かに増加していますが、質の高い指導ができるインストラクターはまだまだ不足している状況です。しっかりとした知識とスキルを身につければ、十分に活躍の場はあります。 - 長期キャリア形成の難しさ
確かに20代・30代と比べて長期的なキャリア形成の時間は限られますが、40代・50代は既に豊富な人生経験という武器を持っています。効率的にスキルアップを図り、自分の強みを活かせる分野に特化することで成功につながります。
ヨガ人気落ちてきてピラティスに流れている
こちらをご覧ください。
GoogleトレンドというGoogleが提供している検索数の推移を調査するツールで、ヨガとピラティスの検索数推移を調査しました。
分かる通り、ヨガとピラティスの検索数比率は2020年5月は、9:1だったにも関わらず、2023年5月は、7:3に縮まり、2025年5月は、5:5と同じになりました。
ヨガの人気がピラティスに流れていることを明確に示しています。
しかもまだピラティス人気が止まる傾向はなく、むしろ上昇し続けていますので、ピラティスインストラクターの需要はまだまだ伸び続けることが予想されます。
そのため、ピラティススタジオはこれからも増え続けるので、ピラティスインストラクターもこれからますます必要とされることは間違いありません。
ピラティスインストラクター40代・50代の年収を徹底分析
初年度から3年目までの収入推移
経験年数 | 平均月収 | 特徴・ポイント |
---|---|---|
半年間(資格取得直後) | 3万円〜8万円 | この時期は“稼ぐこと”よりも“経験を積むこと”が最優先。スタジオでの代行レッスンや短時間の個人レッスンなどからスタートして、自分を売り込むための実績作りの時期です。 |
7ヶ月目~(指導経験半年以上) | 8万円〜15万円 | 指導スキルが向上し、特定のピラティススタジオで固定枠(特定の曜日と時間)を確保することで収入が安定し始めます。週に5〜8レッスンを担当 |
3年目(ベテラン域への移行期) | 15万円〜25万円 | 専門性を高めた方は副業から個人スタジオを開始して本格的な収入源へと移行 |
働き方別の年収比較(正社員・フリーランス・副業)
働き方 | 年収目安 | メリット・デメリット |
---|---|---|
正社員インストラクター | 280万円〜400万円 | 安定した収入と福利厚生がメリット。40代・50代の採用は限定的な場合あり |
フリーランスインストラクター | 300万円〜600万円 | 最も自由度が高く、実力次第で高収入も期待。人生経験を活かした付加価値の高いサービス提供が可能 |
副業インストラクター | 60万円〜180万円(月5〜15万円) | 本業を続けながらリスクを抑制。家庭との両立を重視する方に最適 |
40代以降のピラティスインストラクターは業務委託か契約社員が大半
40代以降のピラティスインストラクターは正社員の枠がゼロとはいいませんが、現実的にはかなり厳しいと考えましょう。
そのうえで、あまりおすすめしません。
正社員になると、ピラティスを教えるだけでなく、接客や商品の販売、事務手続き、清掃など様々な業務をやる必要があり、拘束時間が非常に長くなる傾向があります。
月収ベースでみると、確かに業務委託や契約社員に比べて高くなりますが、時間単価に直すと、1,200円前後になってしまうこともしばしばあります。
また、ピラティスインストラクターの求人を見ると分かりますが、業務委託契約が非常に多いのが特徴です。
業務委託契約は、正社員と違って、安定しない点を嫌う方が多いですが、物は考えようです。
ピラティスは1レッスンでインストラクターに支払われるお金が非常に高いのが特徴です。
1レッスン(40-60分)=3,000~8,000円
ざっくり、これくらいはもらえます。
これに付随して、交通費が支給される場合もあります。
また、業務委託の場合、1つのスタジオ専属になる必要はなく、複数のピラティススタジオを掛け持ちできます。
その結果、たくさん支払ってもらえるスタジオのレッスンを増やして、あまり稼げないスタジオのレッスンは減らすこともできます。
そのあたりはピラティスインストラクターの自由なんです。
当然のことながら、1レッスンで高額なお金をもらうには、経験が必要です。
だから、インストラクターをスタートした直後は、レッスンあたりの単価にこだわらずとにかく経験を積むことが、収入を上げるコツなんです。
地域別・スタジオ別の収入格差
地域別レッスン単価の相場
- 都市部(東京・大阪・名古屋など)
プライベートレッスン:5,000円〜10,000円|グループレッスン:3,000円〜9,000円 - 地方都市
プライベートレッスン:3,000円〜8,000円|グループレッスン:2,000円〜7,000円
競合が少なく、地域密着型の指導で安定したお客様を確保しやすい - オンライン指導
レッスン単価:2,000円〜4,000円
地域に関係なく全国のお客様を対象にでき、地方在住者にとって収入アップの大きなチャンスがあります
年収アップのための戦略
更年期専門、シニア向け、産後ケアなど、自分の経験を活かせる分野で専門性を高めることで差別化を図れます。
レッスン指導だけでなく、資格講座の講師、ワークショップの開催、オンラインコンテンツの販売など、収入源を多角化することが重要です。
新しい技術や知識を習得し続けることで、長期的な競争力を維持できます。40代・50代は学習意欲も高く、質の高いサービスを提供できる傾向があります。
今はピラティスインストラクターは数として、足りていません。
さらに今後も需要は高いままでしょう。
しかし、5年後、10年後になると分かりません。
そのため、先のことを見越して、専門特化できるスキルを高めることが長くピラティスインストラクターとして稼ぐコツになります。
また、ご自身がたくさんのお客様から支持されるようになると、今度はご自身の経験に基づいたピラティス講座を開設して教える側になるとより収入が安定していきます。
50代ピラティスインストラクター取得から収入までのロードマップ
ピラティス資格取得の具体的な方法・スクール選び
主要な資格と特徴
- FTPピラティス:初心者向けで基礎からしっかり学べる(推奨)
- BASI:世界的に認知度が高い国際資格
- バランスドボディ:実績豊富で就職サポートが充実
費用目安:15万円〜90万円(マットピラティスから始めることで初期投資を抑制可能)
資格取得にかかる期間と費用
項目 | 期間・費用 | 詳細 |
---|---|---|
マットピラティス資格 | 1〜3ヶ月 15万円〜40万円 |
基礎からしっかり学べる入門コース |
マシンピラティス資格 | 2〜12ヶ月 25万円〜90万円 |
より専門的な指導が可能になる |
教材・実習費 | – 1万円〜5万円 |
テキスト、マット、交通費など |
現在、日本ではマットピラティスとマシンピラティスの両方が流行っています。
どちらも人気がありますし、どちらも大きく需要が伸びています。
また、ピラティスにはPMA(Pilates Method Alliance)という国際団体があり、国際的な教育水準を設定しています。
資格を取る際は、このPMA団体会員に所属しているスタジオで資格を取れば、いろいろなピラティススタジオで自分自身のスキルをアピールできますので、講座に申し込む際はPMA団体会員に所属しているかも確認しましょう。
そのため、自分の思い込みや直感でどちらか一方に決めるのではなく、まずは両方のインストラクター養成講座に足を運び、ご自身の目で見て、耳で聞いて納得した方を選びましょう。
さらに、オンラインで受講できるピラティスインストラクター養成講座もありますので、どれが自分にあうか、ちゃんと説明を聞いて申し込むようにしてください。
くれぐれも説明会も参加せずいきなり数十万円を振り込むということだけはないようにしましょう。
40歳からピラティスを始める最適なスケジュール
平日スケジュール(会社員の場合)
- 朝:6:30-7:30 自主練習・動画学習
- 昼:12:00-13:00 理論学習
- 夜:19:00-21:00 オンライン講座受講
週末スケジュール
- 土曜日:スタジオでの実技練習・指導練習
- 日曜日:レッスン見学・ボランティア指導
生徒獲得から安定収入までの期間
知人・友人への無料またはピラティススタジオの単発のレッスン提供から始めます。この期間は技術向上と経験蓄積が目的です。
スタジオでの代行レッスンや短時間の個人レッスンを開始します。月収3万円〜8万円を目標とし、着実にお客様を増やしていきます。
固定客が増え、安定した収入を得られるようになります。月収10万円〜20万円を達成し、副業として十分な収入源となります。
40代・50代ピラティスインストラクターの将来性と成功事例
高齢化社会で注目される市場価値
追い風となる社会的背景
- 健康経営の推進:企業向けの健康サポートサービスとしてピラティス指導の需要が拡大
- 医療費削減への取り組み:予防医学の観点から運動指導への注目度が向上
- 働き方改革:副業解禁により新たなキャリアチャンスが増加
実際、年齢が上がるにつれて肥満率が高いという現実があります。
こちらをご覧ください。
女性の肥満者の割合
40-49歳:18.5%
50-59歳:19.6%
60-69歳:22.8%
引用:肥満者の割合_令和4年国民健康・栄養調査結果の概要(厚生労働省)
つまりこれだけ不健康な方が多いということは、それだけ健康サービスへの需要があることを意味しています。
かといって、激しい運動はこの年齢になってくると難しいため、無理せずゆっくり体を動かして健康になるピラティスが人気なんです。
同世代お客様からの需要増加
同世代だからこそできるサポート
- 更年期症状への理解とサポート
ホルモンバランスの変化による体調不良や精神的な不安定さに対して、自身の経験を踏まえたアドバイスができることは大きな強みです。 - ライフスタイルの変化への対応
子育て、親の介護、キャリアの転換期など、40代・50代特有のライフイベントを理解し、それに合わせた指導プランを提案できます。
先輩インストラクターからの体験談・メッセージ
成功事例①:Yayoiさん(47歳:ピラティスインストラクタ)
仕事をしながら健康とダイエットのためにピラティスを始めましたが、続けていくうちにハマってしまい、インストラクターの資格を取ることになりました。
全く畑違いの仕事でスポーツのインストラクターもやったことがなかったですが、同年代のお客様の悩みが痛いほどよく分かり、自分が取り組んだピラティスの経験を伝えることや、お仕事を継続しながらピラティスを続けることの大変さと気持ちよさを共感でき、ピラティスの素晴らしさを伝えることができています。年齢を重ねたからこそ、お客様の気持ちに寄り添えると今は強く実感しています。
成功事例②:Namiさん(59歳・元会社員)
特に稼ごうという思いで始めたわけじゃないピラティスインストラクターの仕事が定年後のセカンドキャリアとしてそれまで経験したことのない楽しさでした。最初は友人に声をかけて趣味のように始めたけど、今では副業として安定して収入を得られています。何より、お客様から体調改善をサポートできて感謝されることに大きなやりがいを感じています。」
成功事例③:Kyokoさん(45歳・主婦からの転身)
「特に資格は何も持ってなかったけど、子育てが一段落した後、自分の時間を有効活用したくて資格を取得しました。ピラティススタジオに応募して、業務委託という形でしたが、いくつか経験させていただけて、その経験を元にどんどん応募していこうと思って、求人を調べたら『こんなに求人があるんだ!』と驚くぐらいたくさん見つけられました。」
長期的なキャリア展望
60代以降も活躍できるキャリアパス
- シニア専門インストラクター
- 資格講座の講師
- ピラティス教室の運営者
- オンラインコンテンツクリエイター
複合的なサービス展開
ピラティス指導をベースに、栄養指導、ライフスタイルコンサルティング、メンタルヘルスサポートなどを組み合わせた総合的なウェルネスサービスを提供する道もあります。
40代・50代から始める際の注意点とよくある質問
家庭と仕事の両立方法・ライフスタイル管理
限られた時間を有効活用するため、スキマ時間での学習や効率的なスケジュール管理が重要です。家族の理解と協力を得ながら、無理のない範囲で活動することが長続きの秘訣です。
スタジオに通う時間が取れない場合は、自宅での個人レッスンやオンライン指導から始める方法もあります。初期投資を抑えながら、自分のペースで事業を育てていけます。
新しいキャリアへの挑戦は家族の理解と協力が不可欠です。事前に家族と十分話し合い、サポート体制を整えることが重要です。
ピラティスインストラクターの年齢に関するQ&A
Q: 何歳まで指導を続けられますか?
A: 健康状態と学習意欲があれば年齢制限はありません。実際に70代・80代で活躍されているインストラクターもいらっしゃいます。
Q: 体力に自信がないのですが大丈夫でしょうか?
A: ピラティスは激しい運動ではないため、体力に自信がない方でも安心して指導できます。むしろ、自分自身の体の制約を理解している方が、お客様に寄り添った指導ができます。
Q: 収入が安定するまでどのくらいかかりますか?
A: 個人差はありますが、1レッスン4,000円と仮定して、週10本のレッスンを安定的に取れるようになれば月収12万円以上は到達できます。そこに至るまでは、ご自身でピラティススタジオに応募していくバイタリティは必要ですが、1~2年程度で月収10万円以上の安定収入を得られる方が多いです。40代・50代の方は人生経験を活かした信頼関係構築が得意なため、比較的早く安定収入を達成する傾向があります。
Q: 資格取得にかかる費用を回収できますか?
A: 計画的に活動すれば、1〜2年で初期投資を回収することは十分可能です。副業として月5万円の収入を得られれば、年間60万円となり、比較的短期間での回収が期待できます。
40代・50代から始める際の覚悟すべきこと
事前に理解しておくべきポイント
- 継続的な学習の必要性
ピラティスは奥が深く、常に新しい知識や技術が生まれています。資格取得後も継続的な学習とスキルアップが必要です。 - 競争の激化への対応
ピラティス業界への参入者は増加傾向にあります。差別化を図るため、自分だけの強みを見つけて磨き続けることが重要です。 - 収入の不安定性
フリーランスとして活動する場合、収入が月によって変動する可能性があります。複数の収入源(いろいろなスタジオを契約したり、自分でオンライン講座を開催したり、自ら講座を開くなど)を確保し、リスクを分散することが大切です。 - 体力的な限界
年齢とともに体力の衰えは避けられません。無理をせず、自分の体調と相談しながら活動範囲を調整する柔軟性が必要です。
まとめ:ピラティスインストラクター40代・50代からの挑戦価値
信頼できる資格スクールでの学習から始めて、同世代のお客様に寄り添える唯一無二のインストラクターを目指しましょう。あなたの人生経験が、多くの人の健康と幸せをサポートする力となることを心から応援しています。